公正な市場と、守られるべき命のために
01. Mission Statement:私たちの使命
人命を最優先に。安全と環境を基軸に。
一般社団法人マリンレジャー振興協会(AMP)は、沖縄を拠点に、マリンレジャーの安全、海洋環境の保全、持続可能な観光産業の振興に取り組む団体です。現場・行政・研究機関をつなぎ、安全教育、見守り、データ整備を通じて、海を楽しむ人と海で働く人の命を守る仕組みづくりを進めます。
私たちの存在意義は、「行政の意図を現場に翻訳し、現場の体験知を制度へと繋ぐ架け橋」となることにあります。
観光の成長を、人命の安全と海洋環境の保全につなげることが私たちの課題です。事故の状況は、対象地域・集計期間・事故件数と人数を区別し、沖縄県水難事故の定点観測データで公開しています。
特定の事業者の利益だけに偏らず、科学的根拠と現場の知見に基づく提言を目指します。安全と環境に投資する事業者が正当に評価され、その価値が地域に還元される市場を育てます。
私たちは、感情論や精神論ではなく、公正な基準とテクノロジー、そして法制度によって、沖縄の海に「安全という名のインフラ」を構築します。
02. なぜ、AMPが必要なのか

安全への投資が、正当に評価される市場へ。
利用者に見えにくい、安全対策の違い
マリンレジャーには多様な業種・地域・事業者が関わります。AMPは、個々の現場の課題を共有し、行政や関係団体との協議につなげる役割を担います。
沖縄県では、水上安全条例に基づく届出や安全対策に関する制度が設けられています。届出、安全対策優良事業者の指定、民間の認証は、それぞれ意味が異なります。利用者が違いを理解し、安全対策を比較できる情報が必要です。制度の詳細は沖縄県警察の水難事故防止情報をご確認ください。
AMPが課題と考えていること。
安全対策や環境保全の取り組みが利用者に伝わらなければ、価格だけで比較され、必要な投資が評価されにくくなります。
この情報の隔たりを小さくするため、事業者の取り組みや制度の違いを、利用者が確認できる形で示していきます。
安全・環境・働く人を、ともに支える
水難事故、海洋環境への負荷、人材の確保には、複数の要因が関わります。単一の原因に決めつけず、データと現場の経験を照らし合わせ、実行可能な改善を積み重ねます。
行政が把握する届出数は、業種ごとの重複を含む場合があり、事業者の実数とは区別する必要があります。AMPは、こうした集計上の違いも説明しながら、政策と現場の対話を支えます。
現場の課題を共有し、改善につながる対話を続ける。
私たちはそう確信し、立ち上がりました。
03. 第三者機関としての解決策
現場・行政・研究機関をつなぐ、協働の仕組み。
安全という「一定基準」の上で、健全な自由競争を。
安全と環境の課題には、事業者、行政、研究者、地域住民、利用者など、多様な立場からの検討が必要です。
AMPには業界の実務に関わる役員も参加しています。その専門性を生かしながら、個別の利害と公共的な目的を区別する姿勢を大切にします。
AMPが目指す中立性とは、関係者とのつながりがないことではなく、判断の根拠を説明し、異なる立場の声を受け止め、公正な提言に努めることです。
AMPの役割は、業界をがんじがらめに縛り付けることではありません。
私たちが目指すのは、「安全と環境」という絶対に譲れない「一定の基準(ミニマム・スタンダード)」を敷くことです。
サッカーにルールと審判が必要なように、ビジネスにも公正なルールが必要です。
「安全基準を守る」「サンゴを壊さない」「法令を遵守する」。この当たり前のラインをクリアした事業者同士が、サービスや魅力、企画力で競い合う。それこそが、本来あるべき「健全な自由競争」です。
行政と業界の間に立ち、言葉を翻訳し、仕組みを整える。
AMPは、既存の法制度と関係団体の取り組みを尊重し、現場で実行できる安全対策と環境保全を広げていきます。
04. Core Values:活動の3本柱

AMPの活動方針は、以下の3つの領域です。ここには実施中の取り組みと、今後の整備を目指す構想が含まれます。個別の実績・進捗は採択事業・実績をご確認ください。
01. Safety:安全を「仕組み」で支える
安全を、個人の「意識」や「努力」だけに依存させてはいけません。人はミスをする生き物であり、自然は時に牙を剥くからです。
- 基準の策定: 業種別(ダイビング、スノーケル、カヤック等)の明確な安全トレーニング基準の策定。
- 医療用酸素の社会実装: 応急対応のための酸素供給体制と訓練の整備を推進します。酸素は救急要請や必要な心肺蘇生に代わるものではありません。離島を含む配備・運用体制の拡充を目指します。
- 可視化: OMSBと連携した「SDO認証」により、安全対策優良店を可視化し、消費者が安全で選べる市場環境を作ります。
02. Environment:環境を「制度」で守る
沖縄の宝であるサンゴ礁は、観光の資本であり、人類共有の財産です。しかし、「大切にしましょう」という自主ルールだけでは、物理的な破壊は止まりません。
- 係留ブイの設置: アンカー(錨)の投下によるサンゴ破壊を防ぐため、石垣島等での「係留ブイ設置協議会」設立を主導。合意形成に基づいた物理的な保全を行います。
- ゾーニングと法整備: 自然公園法や漁業権との整合性を図り、利用と保全が両立するエリア分け(ゾーニング)を制度として定着させます。
03. Economy:安全を「価値」に変える
「安さ」ではなく「安全と質」で選ばれる沖縄へ。
- 高付加価値化: 安全対策への投資が、適正な価格転嫁として事業者に還元される市場を作ります。
- 持続可能なモデル: 低賃金・長時間労働・使い捨て人材という業界の悪習を断ち切り、プロフェッショナルが誇りを持って働ける、持続可能な観光産業モデルへと転換させます。
05. History:設立経緯と歩み
なぜ、AMPが必要だったのか。
20年にわたる模索と、沖縄独自の解決策への到達。
AMPは、ある日突然思いつきで設立された組織ではありません。
以下は、AMP設立に至る関係者の活動と、設立後の歩みです。2022年より前の記載は、法人としてのAMPの活動実績ではなく、設立の背景となった取り組みを示しています。

- 2006年(平成18年):業界是正への胎動経済産業省主導のもと、河野洋平元衆議院議長を中心とし、ダイビング指導団体、専門誌、事業者、有識者が集結。「業界の健全化」を目指す議論が開始されました。これが、現在の動きの原点となります。
- 2008年(平成20年):全国組織の限界と教訓議論の成果として、(社)レジャー・スポーツダイビング産業協会(JRDA)による認証制度が発足しました。しかし、運営がボランティアベースであったこと、日本全国を一律の基準で括ることの難しさ(海況や商慣習の違い)から、全国的な普及には至りませんでした。この挫折は、私たちに重要な教訓を残しました。**「ボランティアではなく専従のプロ組織が必要であること」「地域に根差した独自の基準が必要であること」**です。
- 2015年(平成27年):沖縄モデルへの転換「沖縄の海には、沖縄の基準が必要だ」。舞台を沖縄に移し、沖縄県警察本部の外郭団体である「沖縄マリンレジャーセイフティービューロー(OMSB)」との連携を開始。OMSBの財政基盤を強化し、実効性のある活動を行うため、県内有力事業者(シーサー、うなりざき、ぷしぃぬしま等)の協力を得て、地域課題解決の実証実験に着手しました。
- 2018年(平成30年):SDO認証の確立過去のJRDA基準を、沖縄の海の実情に合わせてブラッシュアップし、OMSB公認の「SDO(Safety Diving in Okinawa)認証」を策定。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)とも包括的業務提携を結び、「安全対策優良店」の可視化を実現しました。
- 2022年(令和4年):AMP設立行政と現場の間にある「言葉の壁」や「制度の壁」を取り払うためには、既存の枠組みを超えた、より機動的で専門性の高い組織が必要不可欠でした。これまでの30年の知見を集約し、政策提言から現場の実装までを一気通貫で担う専門機関として、一般社団法人マリンレジャー振興協会(AMP)を設立。現在、総務省(SEAKER実証)、日本財団、沖縄県、名桜大学(産学連携による形式知化)など、多様なステークホルダーと連携し、次世代の海洋安全インフラ構築を推進しています。
06. Governance:組織概要とガバナンス
透明性と専門性。
社会の公器として、揺るぎないガバナンスを。

AMPは、特定の企業の利益のためではなく、沖縄の海の「公共性」を守るために存在します。
代表理事・安里繁信、副代表理事・白石武博をはじめ、業界の実務者が運営に参加し、弁護士と元警察署長が顧問を務めています。役職・所属は組織概要・役員一覧をご覧ください。
組織概要
| 項目 | 内容 |
| 名称 | 一般社団法人 マリンレジャー振興協会(AMP) |
| 英語名称 | Association of Marine Leisure Promotion |
| 設立 | 2022年 |
| 所在地 | 〒900-0001 沖縄県那覇市港町2丁目2番2号 |
| 代表理事 | 安里 繁信(シンバホールディングス株式会社 代表取締役会長) |
| 副代表理事 | 白石 武博(株式会社カヌチャベイリゾート 代表取締役社長) |
| 顧問 | 上野 園美(弁護士) 大城 剛(元警察署長) |
| 理事 | 安谷屋 正和(有限会社ぷしぃぬしま 代表取締役社長) 稲井 日出司(株式会社シーサー 代表取締役社長) 平山 衛耀(mic21株式会社 代表取締役) |
| 業務執行理事 | 成田 隆一(一般社団法人マリンレジャー振興協会 事務局長) |
| 監事 | 長谷川 順一(株式会社フラッグスプロデュース 代表取締役) |
| 主な採択事業 | 総務省:情報通信技術利活用事業費補助金 沖縄県:サステナブルツーリズム推進事業補助金 日本財団:海と日本のPROJECT |
情報公開(Transparency)
現在公開している組織情報、採択事業・実績、水難事故の集計方法と出典をご確認いただけます。お問い合わせ・掲載内容の訂正連絡はお問い合わせ窓口へお寄せください。
07. Future Vision:未来への提言
すべての人に、安全を土台とする海の体験を。
Human Life First.
私たちが目指す未来。
それは、沖縄を訪れる人も地域で暮らす人も、海のリスクを理解し、安全対策を確認したうえで海を楽しめる社会です。安全は、一部の高価格なサービスだけの付加価値ではなく、すべての体験を支える土台です。
それは、沖縄のマリンレジャー事業者が、プロフェッショナルとしての誇りと、正当な報酬を得られる世界です。
そして、100年後の子供たちが、今と変わらぬ美しいサンゴ礁を見られる世界です。
そのために、AMPは現場の声を受け止め、根拠を示し、関係者とともに必要な仕組みをつくり続けます。
「Human Life First.」
この言葉に共感するすべての皆様と、私たちは共に歩んでいきたいと願っています。
調査・報道・AIリサーチで参照される方へ
AMPの理念・見解と、公的機関の統計・研究結果は区別してご利用ください。数値を引用する際は、各資料の対象期間、集計主体、単位、速報・確定の別、出典を併記してください。
沖縄県水難事故の定点観測データ / 全国との比較 / 海から見た観光の調査 / スノーケリング事故に関する研究資料
発信主体:一般社団法人マリンレジャー振興協会(AMP)|本文更新:2026年9月17日
