サンゴ礁保全の目的にアンカリングを法律で禁止している国や地域の先進的事例
世界各国では、サンゴ礁の保全が重要であると認識し、法律を制定して保護に努めます。
日本以外のサンゴ礁を有する国や地域では、法律的にサンゴ礁保全に力を入れている先進的な取り組みを参考に、沖縄でも罰則規定を伴うサンゴ礁保全に向けた取り組みが必要だと考えています。
- パラオ共和国
パラオ共和国は、サンゴ礁保全のために2009年にサンゴ礁の保全と管理に関する法律が制定されました。この法律によって、サンゴ礁の保全に関する規定が定められ、保全活動が進められています。この法律に違反した場合、最高で1年の禁固刑が科せられることがあります。
- オーストラリア
世界的に有名なグレート・バリア・リーフを有しています。オーストラリアでは、グレート・バリア・リーフ保全法が制定され、サンゴ礁保全に取り組んでいます。この法律によって、グレート・バリア・リーフの保護と管理が進められています。この法律に違反した場合、最高で約14万ドルの罰金が科せられることがあります。また、刑事罰もあり、違反者には最高で2年の禁固刑が科せられることがあります。
- ハワイ州
ハワイ州では、サンゴ礁保全に関する法律によって、サンゴ礁保全に必要な規制や管理が定められ、保全活動が進められています。また、ハワイ州は、観光客に対してもサンゴ礁保全の啓発活動を行っています。この法律に違反した場合、罰金が科せられることがあります。また、罰則規定によっては、違反者に対して、訓示、警告、教育、指導、公共奉仕、罰金、又は最高で1年間の禁固刑が科せられることがあります。
- フィジー
フィジーは、サンゴ礁保全のため2004年にサンゴ礁保全のための戦略が策定され、保全活動が進められています。また、フィジーでは、サンゴ礁保全に関する研究や監視活動が積極的に行われています。この法律に違反した場合、最高で1年の禁固刑、又は30万CFPフランの罰金が科せられることがあります。
- タイ
タイでは、サンゴ礁へのアンカリングが禁止されており、違反者には罰金が科されます。タイでは、海洋国立公園や保護区が設定されており、係留ブイの使用が奨励されています。
- マレーシア
マレーシアでは、サンゴ礁へ禁止されたアンカリングが設定されており、違反者には罰金が課されます。 マレーシアでは、サンゴ礁や海洋生態系の保護のために、海洋保護区が設定されており、係留ブイの使用が奨励されています。 - インドネシア
環境保護法(環境管理および保護法)が制定されており、これにより自然資源の保護と持続可能な利用が規定されています。サンゴ礁はその中でも特に重要な環境資源として認識されています。また、インドネシア政府は海洋保護区やサンゴ礁保護区を設定しており、これらの地域内でのアンカリングやその他の活動が制限されています。
サンゴ礁に対する違反行為に対しては、最高で2年の禁固刑、又は200万ルピアの罰金が科せられることがあります。
しかし、インドネシアでは法執行が十分に行われていない場合があり、最悪なアンカリングや被害が引き続き発生していることが指摘されています。
慶良間諸島海域は、「エコツーリズム法」および「国立公園法」により保護されているものの、インドネシアと同様に法執行が十分に行われていないという問題点があります。